カテゴリ: CADデータ

一昨年~昨年にかけ、一時3D-CADによるモデリングに挑戦していたのですが、PCが何度もフリーズしまくったり、思い通りの曲面が作成できず、途中で投げ出していました。いまのご時世、鉄道車輛で製品化されない形式はないのではないかと思えてしまうぐらい、塗装済完成商品が充実しておりまして、苦労してまで自作なんかする必要がありません。3Dプリンターも自分で購入する考えはなく、どうしても必要なときに業者へ外注すればいいと考えておりました。

ただここ最近また3Dモデリングに対する興味が出てきまして、新たに3つ新しい3DCGと3D-CADソフトをインストールしました。とはいえど鉄道模型だけではなくフィギュア製作という目的も入っていますけどね。

3D-CADの方はAutoDesk社のfusion360というソフトです。
https://www.autodesk.co.jp/products/fusion-360/overview

商用ではない趣味目的で使うだけの人ならば無償利用が可能みたいです。このソフトを使って新幹線のような車輛の3Dモデリングを行われているCAD鉄さんらがたくさんおりまして、気になっていました。一度試しに使ってみることにします。

基本的使用方法は以下の動画サイトで説明しています。
FLAT 3DCAD Lab.
https://www.youtube.com/channel/UCxjvj_Lei8JldN0MLhBnsmA

MakersLove
https://www.youtube.com/playlist?list=PLP1z6MYeM8lMzb9cxnT6h25b3sgKA8O36

上のふたつの動画サイトを見ながらfusion360の基本操作を身に着け、クハ86300の前面をつくってみることにしました。fusion360といえばターミネーターのような金属の塊を粘土のように自由自在にこねくりまわしてモデリングできるソフトというイメージが強いですが、今回はそこまでやりません。緻密な寸法数値でモデリングしないといけない鉄道模型関係の造形はロフト機能とかを使ってやった方が良さそうです。
d200208fusion360

まず車体断面図と側面、底面のスケッチを行います。底面に書いたくの字状の前面断面を描いた線分をサーフェスの押し出しボタンで7.4mm上へ上げると前面パネルが現れます。別のところでつくった板を10度に傾け、前面パネル頂部を斜めに潰します。その線分をまた押し出しボタンで引っ張り上げると斜めに傾いた前面窓のパネルができます。その頂部の線分と車体断面図の屋根の線分をロフトで結び、ロフト機能のウィンドウに出ているレールをクリックして、あらかじめスケッチしてあったオデコのカーブを描いた線分をクリックすると丸いオデコができあがりです。細かい説明は省きますが、2枚窓も簡単にあけることができました。

ネコパブの「3Dモデリングガイド」の作例はソリッドモデル伸ばしたり、削いだりしながら設計していましたが、サーフェスモデルで外っ面だけ造形して、あとから「厚みをつける」でソリッドモデル化した方が楽な気がします。

にほんブログぷろぐ村
 

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2019/2/12 記事内容及び添付画像を大幅に改訂・入れ替えしました。

ふそうのモノコックバスG4ボディを3D-CADで造形し続けていますが、前面のおでこ・行先表示器周辺の造形に入りますが、まずはフロントガラスがはまる断面をコピーしておきます。
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コピーした断面の上辺を0.4㎜上に上げます。さらに左右両端のラインで下側の方をクリックして0.2㎜内側に平行線を入れます。そして左右のラインで上窄みになっている方については消去して線を引き直します。0.4㎜上げた上辺の両端0.3㎜のところから下側に描いた平行線の頂点に向かってラインをひきます。
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余分な線を消去したら、今度は断面を1.6㎜プルで持ち上げて窓部をソリッドモデル化します。
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窓部のソリッドモデルの底面をクリックして、スケッチモードにし、半径118㎜の曲線を描きます。その後肉削ぎしてやるとパネルの膨らみが表現できます。
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今度はソリッドモデルの上辺を0.4㎜後退させてパネルの傾斜をつけます
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窓部フロントパネルの天板をクリックして、それをコピーします。作業しやすいように5㎜上へ移動させました。
そしてプルで2.2㎜持ち上げて行先表示器周辺のパネルとなるソリッドモデルを作成します。
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行先表示器のパネル裏側をクリックしてスケッチモードとし、両端から0.2㎜内側に補助線を入れます。そして斜めになるようカットラインをひきます。
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両端をプルで押し下げて肉削ぎします。
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行先表示器がつくパネル両端をプルで丸めます。2㎜指定です。
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そしてパネル背面に半径2.8㎜・直径5.6㎜の曲面をつけます。そのために削ぎ板を作図します。

窓部のパネルも左右エッジをプルで押して2㎜の丸みをつけます。イメージ 12

行先表示器のパネルと窓部のパネルを移動ツールで合わせます。
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先に作成した削ぎ板を使って、パネル背面に2.8㎜の曲面をつけて削ぎます。プルツールを使います。
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忘れずに組合わせツールでマージさせねばなりません。
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上部フロントパネルにフロントガラスの穴をあけます。
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行先表示器周辺のパネルができました。
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移動ツールで行先表示器周辺のパネルを本体側に移動させます。イメージ 16
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位置決めができたら組合わせツールでマージします。
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ここまでできれば後はかなり楽です。
ヘッドライトや行先表示器窓、バンパーなどのディティールをつけていきます。


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2019/2/11 記事内容と添付画像を大幅に改訂しました

3D-CADで造形を行っている三菱ふそうのモノコックバスG4ボディですが、前回作成した前面のおでこ周辺の造形作成方法を2回にわけて紹介していきます。

まずはスケッチモードで車体断面を描き、プルを使って箱状態に引き出します。イメージ 3箱の前にあるのは後で前面窓やライト、行先表示窓、ウィンカー、バンパーを描きこむ平面図です。

それからさらに先頭側の断面に側面の傾斜がつく部分から横方向に線を引いて面を4分割し、上から2番目の面と一番下の面を5㎜引っ張り出します。
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次に前窄みになったG4ボディの先頭部を表現します。そのために前準備です。車体断面図は客窓の下辺から上窄みの形状になっています。これを一度垂直断面に戻します。
上辺をクリックして移動ツールで0.2㎜外側に引っ張り、側面を起こしてやりました。
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突き出しの側面を垂直にしたら、その底面をスケッチモードにして、0.2㎜分前窄みになるように線を描きます。
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プルで余分な肉を削ぐと前窄み状態になります。
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突き出しの底面をコピーして5.8mm下げます。それをプルで4㎜下まで引き出します。
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追加された一番下の突き出しは垂直断面になっているので、側面の底辺を0.138㎜内側に移動させます。
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次に屋根の断面を5㎜引き出します。
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屋根の突き出しと上から2番目の突き出しの境目に段差が生じています。それを下からプルで押し上げて肉削ぎをします。イメージ 10

側面に雨樋がついていますが、プルで一旦奥へ凹ませます。それから屋根の肩を2.5㎜で丸めます。
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一番下の突き出しをプルでさらに2㎜前に突き出します。 イメージ 13

さらに左右両端のコーナーを2.5㎜で丸めた後に、突き出しの天板をクリックしてスケッチモードにします。フロントパネルの丸みをつけるべく半径120°指定でカット線を描きます。
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プルで肉削ぎしているところです。
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肉削ぎした後に、またエッジをプルして2㎜の丸みをつけます。フロントパネルは呉羽車体と名古屋製作所で作り分けするつもりですが、呉羽はこの形状でいきます。イメージ 15


屋根の断面を0.2㎜後退させます。
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上から2番目の突き出しを2㎜引っ張り出します。
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さらに2番目の突き出しの上辺を移動ツールで0.3㎜後退させ、先頭部上部に傾斜をつけます。イメージ 18

上から2番目の突き出しの左右コーナーも2.5㎜で丸めます。屋根側の一部が欠きとられますが、あえてこのままにしておきます。
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屋根断面と上から2番目の突き出しの天板をコピーしておきます。屋根の断面はおでこをつくるために使います。
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コピーした屋根断面をクリックしてスケッチモードにします。底辺より0.5㎜下に平行線をひき、左右端から線をつないで矩形にします。
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屋根断面を回転プルで丸めておでこをつくります。0.5㎜下にひいた線を回転軸としますと屋根断面高さ2.5㎜と合わせて半径3㎜の曲面になります。
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さらに屋根断面下の矩形をプルして、肉削ぎします。
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出来上がったオデコの両端にくさび状の面があります。これをプルで持ちあげて完全な球面にします。
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移動ツールでおでこと本体を合体させます。
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その後「結合」の組み合わせツールを使って、おでこと本体をマージさせておくことを忘れてはなりません。
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おでこと本体側で段差ができています。後ろ側からゆっくりゆっくりプルで余分な肉削ぎします。ここの工程はコンピューターに大きな負荷をかけるためにデータクラッシュを起こしやすいです。こまめに上書き保存を繰り返します。
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コンピューターの演算が追い付くのを待ちながらプルします。
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おでこの肉削ぎが終わったら、フロントガラスの断面を本体に押し付けて1.8㎜凹ませます。
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凹みの天板をクリックしてスケッチモードに転換し、奥から2.6㎜の幅で平行線を入れます。
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ここを回転軸にして肉を削ります。
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一番底側の突き出し天板をクリックして、それをコピーし、さらに上へ5.8㎜プルします。
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再びフロントガラスの断面を押し付けてやります。
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このあと行先表示器を作成していきます。
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1970年代に活躍していた三菱ふそうのモノコックバスG4ボディはリアからフロントの3D造形作成へと移りましたが、ここ数日間PCを何度もフリーズさせながら作業をやっております。かなりの難関です。口で言い表しにくいのですが、おでことAピラーの形状が文字通り”曲者”です。
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ボディの角を丸める始点は雨樋や水切りで始まっているように皆思いがちですが、違うんですよねえ。ふそうのG4やG11などの旧いモノコック車は水切りより後ろから丸めています。ついでに言いますとG4やK11は上から見ると先頭部を前窄みにしていたりします。現行のエアロエースなんかもそうですが、三菱って妙なところで凝ります。

G4よりもっと旧いK3やK4ボディの写真もみながら、おでこやAピラーの造形をしました。G4はK3やK4の型をそのまま引き継いで流用している箇所が多いです。その写真を確認すると、前ドアの上の部分も丸まっていることに気がつきます。おでこを丸めるのは前ドアより後ろからです。イメージ 2
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Aピラーはおでこの丸みがついている関係で上と下でねじれるような形状です。これをフリーの3D-CADでまとめるのは至難の業です。今回おでことAピラーは分割して造成しましたが、面の辻褄を完全にあわせることはできませんでした。下の図の三角ができてしまっているのは段差ができた部分を削いだ跡です。非常に悔しいですが、やむをえません。工作ならヤスリで削って数秒で終わる作業ですが、CADでこの辻褄あわせをやろうとすると何十時間・何日もノイローゼになりながら修正しないといけません。完璧な設計は諦めることにしました。

以前トミテクのバスコレでいすゞエルガの最初期製品が平べったい造形になっていることを批判したことがありますが、3D-CADで微妙な曲面を再現したくても、なかなか設計者の思い通りにソフトやコンピューターが動いてくれないという当時の事情がよく理解できます。

Fusion360の使い勝手ってどうなんだろうなあ・・・・・。

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基本的な前面の造形が固まりつつあります。最大の難関を超えた感じです。

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その1 からの続きです。

三菱ふそうG4ボディのリア造形データ作成方法については名古屋製作所G4まで説明しました。続いて呉羽G4の造形です。

屋根の断面を回転プルで押し出して、リアの丸みを表現する手を使っていますが、呉羽側は屋根の頂部から6㎜に回転プルの軸を置きました。名古屋製作所の方は5㎜でしたので、呉羽側の方が屋根板が突き出しています。しかしながらこの屋根板後端を名古屋製作所側と同じく4.55mm移動させました。
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底から見た屋根板の突き出し具合です。左が呉羽ですが、この時点では名古屋側より突き出ています。これからこの突き出した肉を回転プルで上へ削ります。その前に屋根板とリアパネル上面を接合させていかねばなりません。名古屋製作所製とやったことは同じで、屋根板の突き出し底面をプルで上下させて完全接合させました。
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余分な屋根の突き出し底面をクリックするとオレンジ色が三日月状態になればきちんと接合されたことになりますが、ここからいきなり回転プルで肉を削ろうとするとパソコンの負荷がかかり過ぎてデータクラッシュします。こちらは何十回もフリーズしまくりました。そこで一度に肉を削るのではなく、三日月を三分割して削っていきます。

呉羽側の余分な屋根の突き出し底面をクリックしてスケッチモードにします。リアパネル後端から枕木方向にカット線を入れます。これで三日月が三分割できます。
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屋根を丸める始点の頂部から4.38mmのところに回転プルの軸を置き、突き出した余分な肉を削ぎます。
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両肩の肉を削ぎました。
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名古屋G4とはかなり違う呉羽G4のお尻です。
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